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タタキ甕 [考古学]

 今、豊田市の郷土資料館で開催中の篭川流域の遺跡群の展示。先日展示の方は見学させていただいたのですが、今日、職場に図録が届いていたのでつらつらと眺めてみました。4月1日まで開催しているようです。

 これは、豊田市内在住の在野の考古学者の方がかつて猿投遺跡調査会として、埋文行政脆弱期に調査された多くの遺跡の資料が寄贈されたことを記念して行われた展示です。

 縄文から古代(中世初頭くらいもあるのかな)までの資料が展示してあるのですが、
水汲遺跡の縄文土器もかっこいいのですが、
私注目は、伊保遺跡のタタキ甕です。ほかの共伴遺物などから古墳時代初頭(いわゆる廻間2式かなあ、共伴するS字みるともう少し新しいような気がするけどほかのものはこれだしなあ)のものということはいわれていたわけですが、なんといっても、在地のいわゆるくの字台付甕がほとんどみられず、このタタキ甕で構成されていることです。ほかの器種は在地のもので構成されているのに甕だけ特異なのです。当時からこれについては畿内との関係がいわれてきていましたし、かねてより、当該期の研究者からは注目度抜群の資料だったのですが、いろいろ訳あって門外不出でした。それがついに、、、。

ちなみにこれはチラシの写真です。
 形のいいものだけで、このほかにもいっぱいあります。そのほかに小型の甑や壺にもタタキ調整のものがありますよ。

 この地域はなぜかこのタタキ甕の多く出る地域でして、その他にも安城の本神遺跡などでも多数のタタキ甕がみられます。時期は本神遺跡の方が若干古いのですが(いわゆる廻間1式)そして、それが例えば畿内の中でもどこからやってきてそして、それらが東日本のたとえば柏の戸張一番割遺跡などで出土するタタキ甕などのその波及ルートを考えたりする上でも注目されてきたのですが、伊保遺跡のものは図だけが先歩きしていた状態でした。(報告書が刊行されているということだけでも今思うとよかったと思います)。

 今後、実資料をもとにさらに研究が深化していけるようにできないかな、と思っています。夏頃には検討会も予定しています。



 


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